Wellness Eye コラム
「ストレスチェックの結果を活かして、管理職ができること」
2025年5月20日
近年、多くの企業でストレスチェックが導入され、職場のメンタルヘルス対策が重要視されています
しかし、「ストレスチェックを実施して終わり」「結果を見ても具体的な活用方法が分からない」といった声も少なくありません。
特に管理職の方々からは、
・ 「組織診断結果をどう読み解けばよいのか分からない」
・ 「結果を見ても、何から手をつければいいのか分からない」
・ 「そもそもストレスチェックの活用が自分の業務に関係あるのか分からない」
といった悩みが多く寄せられます。
しかし、管理職は職場環境を改善し、部下の働きやすさを向上させるキーパーソンです。
本コラムでは、ストレスチェックの結果をどのように活用し、管理職が職場環境の改善に貢献できるのかを詳しく解説します。
ストレスチェックの基本と管理職の役割
まず、ストレスチェックの目的を改めて整理してみましょう。
ストレスチェックは、「個人のストレス状態を把握する」と同時に、「職場全体のストレス要因を明らかにし、組織改善につなげる」ためのツールです。
特に管理職が活用すべきなのが、組織分析結果(集団分析)です。
これは、個々の従業員の結果ではなく、部署単位や会社全体の傾向を示したもの。
ここから、「どのような職場環境が従業員のストレスを高めているのか?」を読み解くことができます。
管理職の主な役割は、以下の3点に集約されます。
①部署・チームのストレス状況を把握する
組織診断結果を見ることで、例えば以下のような課題が浮き彫りになります。
・仕事の負担が偏っている(業務過多のメンバーが多い)
・上司や同僚からのサポートが不足している
・コミュニケーションが不足し、孤立しているメンバーがいる
・職場の雰囲気が悪く、モチベーションが低下している
このような課題を認識し、対策を検討するのが管理職の重要な役割です。
②ストレス要因を分析し、適切なアクションをとる
例えば、ストレス要因が「業務負担の偏り」であれば、仕事の配分を見直す業務フローを改善するなどの対策が考えられます。
「コミュニケーション不足」が問題なら、1on1ミーティングを増やしたり、定期的なチームミーティングを設けるのも有効です。
管理職がストレスチェックの結果を基に、適切なアクションを取ることで、組織の働きやすさが向上します。
③ストレスチェックを職場改善のPDCAサイクルに組み込む
ストレスチェックの結果は、一度見て終わりでは意味がありません。
結果を基に改善策を講じ、その後の変化を継続的に追いかけることが重要です。例えば、以下のようなPDCAサイクルを回すことで、効果的に職場環境を改善できます。
・ Plan(計画):ストレスチェックの結果を分析し、改善策を検討
・ Do(実行):業務の見直しやコミュニケーションの強化を実施
・ Check(評価):半年後・1年後に状況を再評価(次回のストレスチェックを活用)
・ Act(改善):効果を確認し、さらに職場改善を進める
管理職がストレスチェックを活用するための具体的な手順を紹介
ここからは、管理職がストレスチェックを活用するための具体的な手順を紹介します。
1.組織診断結果を「数値」ではなく「ストーリー」として読む
ストレスチェックの結果を見る際、「数値」ばかりに注目しがちですが、大切なのは「なぜこのような結果になっているのか?」というストーリーを考えることです。
例えば、
・ 仕事の負担が大きい → なぜ? → 人手不足?業務の属人化?
・ コミュニケーションが少ない → なぜ? → 分業制の影響?チームの雰囲気?
・ 上司のサポートが不足している → なぜ? → 管理職の負担が大きすぎる?部下との関係性の問題?
数値を背景の「ストーリー」として捉えることで、より適切な対策が見えてきます。
2.チームで「対話の場」を設ける
ストレスチェックの結果を管理職だけで確認するのではなく、チームメンバーと一緒に「この結果についてどう思うか?」を話し合う機会を設けることが大切です。
対話のポイントは、責任追及ではなく「建設的な話し合い」にすること。
例えば、「この結果を見て、どう感じる?」と問いかけるだけでも、職場の現状がクリアになります。
対話の中で、現場ならではの課題やアイデアが生まれることも多いのです。
3.具体的なアクションプランを決める
話し合いの後は、具体的な改善策を決めます。
重要なのは、「すぐにできること」から始めること。
例えば、
・ 毎朝5分の雑談タイムを設ける(コミュニケーション改善)
・ 1on1ミーティングの頻度を増やす(上司のサポート強化)
・ 業務の棚卸しを行い、タスクの偏りを見直す(業務負担軽減)
など、小さな改善からスタートし、無理なく進めていくのがポイントです。
まとめ:ストレスチェックを「使いこなす」ことが管理職の武器になる
ストレスチェックの結果は、ただのデータではなく、「職場をより良くするためのヒント」です。
管理職がこのデータをうまく活用すれば、メンバーの働きやすさを向上させ、組織全体の生産性を高めることができます。
本コラムでは概要を紹介しましたが、より具体的な改善アクションや成功事例については、詳細な解説資料をご用意しています。
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