産業医 コラム

自律神経失調症 ~原因不明の体調不良には要注意~

2022年3月2日

自律神経失調症とは

「頭痛がする」「体がだるい」「胸が苦しい」など様々な症状があり、病院で検査をしても何も異常がない。こんなときに「自律神経失調症」と診断されることがあります。自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れ、正常に機能しなくなって起こるさまざまな症状の総称です。
自律神経は、身体の働きを自律的に調整する神経で、交感神経と副交感神経の二つからなります。主に交感神経は身体の働きを促し、副交感神経は逆に体を休ませる働きを持ち、互いにバランスを取りながら身体を常にベストな状態にしようとしています。暑いときに汗をかき、熟睡している時でも呼吸や心臓がきちんと動いているのは、この自律神経の働きによります。この自律神経のバランスが、ストレスや生活習慣(ライフスタイル)の乱れが原因で崩れてしまうと、種々の症状を呈するようになります。その他にも、病気やホルモンバランスの変化なども原因になると言われています。

 

自律神経失調症の症状

症状は現れ方の強弱や期間など個人差があり多岐にわたります。

【全身症状】発熱/疲労感/倦怠感/不眠/食欲不振 など
【身体症状】頭痛/頭が重い/動悸/息切れ/胸苦しさ/立ちくらみ/のぼせ/冷え/吐き気/胃もたれ/便秘/下痢 など
【精神症状】情緒不安定/イライラ/不安感/うつ症状 など

 

セルフチェックをしてみましょう

自律神経のタイプは4つに分けられます。どのタイプに当てはまるかチェックしてみましょう。

①交感神経と副交感神経がどちらも高い
・心身ともにベストな状態
②交感神経が高く、副交感神経が極端に低い
・ストレスが多い現代人に最も多いタイプ
・いつもイライラしているため、血流が悪くなり免疫が低下するので、様々な病気のリスクが高い
③交感神経が低く、副交感神経が極端に高い
・体がだるく、常に眠い状態
・副交感神経が高すぎるため、免疫が過剰に働きアレルギー発症率が高い
④交感神経と副交感神経がどちらも低い・常に疲れていてぐったりした状態
・常に疲れていてぐったりした状態
・やる気や覇気がない

 

自律神経失調症の治療法

治療法として、ホルモン剤などによる対症療法や睡眠の周期を整える行動療法などがありますが、ストレスのコントロールと生活習慣の改善(規則的な睡眠と食事)が最も大切なことです。ストレスや心の面へのアプローチとしては抗うつ薬や、不安の症状が強いときに一時的に抗不安薬が処方され、専門医による自律訓練法や精神療法がすすめられることもあります。

 

自律神経失調症の予防・対策

自律神経失調症から身を守るには、ストレスのコントロールや、乱れた生活リズムを整える事が必要です。そのためには不規則な生活を改め、休養を十分に取り、リラックスできるように自分に合ったストレス解消法をもつことをお勧めします。

【規則正しい生活】
生活リズムが夜型になっている人は、副交感神経が働くことで体力を回復させる時間帯に交感神経が働いている状態です。身体が求めているリズムに逆らうことは、さまざまな症状が現れる原因です。夜型の方は就寝する時間を少しずつ早めて、朝起きることを心がけてリズムを正常に戻すようにしましょう。
【リラックスする】
音楽や笑いは、リラックスモードである副交感神経を優位にすることで心の落ち着きを促し、セロトニンの分泌量を活性化します。
【バランスの良い食事】
偏りなく幅広い食品から栄養をとることが大切です。寝る直前の食事は避け、1日3食できるだけ決まった時間に食事をとるように心がけましょう。
【適度な運動】
適度な運動は、肉体に適度な緊張を持たせることで、活動モードである交感神経(ノルアドレナリン)の機能を適正化します。運動終了後には容易に副交感神経優位となり、セロトニンの分泌量を活性化します。
【呼吸法、ヨガ】
自律神経が支配する内臓諸器官の中で、唯一自分の意思でペースをコントロールできるのが“呼吸”です。これらは少し学びが必要ですが、自律神経を整え心身の安定を図る良い健康法です。

 

最後に・

長引くコロナ禍の影響に加え、これからの季節は年度の切り替わりによる繁忙期や環境変化など、ストレスのかかりやすい時期になります。自律神経も乱れやすくなるので、体調の変化に注意して過ごしましょう。