産業医 コラム

年末年始は暴飲暴食に要注意!胃腸ケアについて~

2021年12月1日

胃腸不調の原因

胃腸のはたらきは消化吸収と排泄です。消化吸収によって食物の栄養素を取り込み、排泄によって体内に溜まった老廃物を外に出すことは生命活動にとって欠かせません。健康に大きく影響する胃腸ですが、不調になる場合は以下のような原因があげられます。

・食べ過ぎや飲み過ぎ
・偏った食事内容
・早食い
・ストレス
・加齢による機能の低下

食生活が乱れる年末年始は特に注意が必要です。また、胃腸は食生活以外にも、ストレスなど精神的な影響を受けやすいのが特徴です。日頃からストレスを溜めないように、整った生活習慣を送るように心がけましょう。

 

年末・年始の胃腸ケアについて

過度な飲酒はNG!

年末年始はオンラインや家で飲む機会が増え、ついつい飲みすぎてしまいますが、過度の飲酒は心血管障害や糖尿病、脳神経障害などさまざまな病気の原因や危険因子となります。古くは兼好法師が徒然草に、「酒は百薬の長とはいえど、万の病は酒よりこそ起れ」と記述しています。

【過度な飲酒が引き起こす消火器の病気】
アルコール性肝障害・・・脂肪肝/肝炎/肝線維症/肝硬変
膵障害・・・急性膵炎/慢性膵炎
消化管障害・・・食道炎/急性胃粘膜病変/胃十二指腸潰瘍
消火器系のがん・・・口腔/咽頭がん/食道がん/大腸がん/肝臓がん/膵がん

 

食べ過ぎによる腹部症状

胃腸への負担がかかり過ぎると、胃酸分泌のバランスがくずれやすくなり消化能力が弱まり、逆に自身の胃酸で胃の粘膜を傷つけるなど、消化器官全体のダメージにつながります。

症状の原因が胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎など器質的な障害であることもありますが、検査しても原因が指摘できない胃腸の症状であることも多くこのような状態のことを専門的に「機能性ディスペプシア」と呼んでいます。
【機能性ディスペプシアの割合】
健康診断を受けた人(健診受診者)のうち11~17%
病院にかかった人(病院受診者)のうち44~53%

 

機能性ディスペプシアの治療法

不規則な生活をさけ、寒い時期は胃腸の動きが鈍くなりやすいため適度な運動などを心がけましょう。もちろん暴飲暴食は控えましょう。

【自分でできる対策】
・食生活の改善(ゆっくりよく噛む/腹八分目/食後30分は休憩)
・十分な睡眠
・禁煙

症状の改善がなければ、医療機関に相談しましょう。(器質的疾患の鑑別をしてもらうのが原則です)胃腸運動促進剤や胃酸分泌抑制剤などの投与で改善する場合があります。薬剤の効果には個人差があるので、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。

 

腸内環境(腸内フローラ)の維持に努めましょう

腸内細菌の集まりを花畑(フローラ)になぞらえて「腸内フローラ」と呼んでいます。「腸内フローラ」は排便活動や消化・吸収といった腸管機能に大きく貢献していますが、脂肪の過剰摂取やストレスは悪玉菌の増加、善玉菌の減少を招きフローラの乱れが生じます。野菜など食物繊維、発行食品や乳酸菌、そして運動などが腸内フローラを改善させるという報告がされていますので、積極的に取り入れましょう。

 

胃腸が悪い時の食事ポイント

胃腸が悪い時は消化のよい食品や調理方法を選ぶことが大切です。

 

外食が多いこの時期・・ノロウィルスによる食中毒にも注意

冬はノロウィルスによる食中毒が多く発生し、飲食店で感染してしまう場合もあります。牡蠣や二枚貝などを食べる場合は充分に加熱されたものを食べるなど、感染を予防するよう心がけましょう。

 

最後に・・

年末年始は、どうしても食べ過ぎ、飲み過ぎにより、胃腸への負担が増えてしまいます。対策をしっかり行い、体調を崩さず良い年末年始を迎えましょう。