産業医 コラム

生活習慣病 ~生活リズムを整え、日頃から予防しましょう~

2021年8月4日

生活習慣病とは?

生活習慣病とは、食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関わり、発症の原因となる疾患の総称です。日本人の死因トップ3であるがん、脳血管疾患、心疾患、さらに脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などはいずれも生活習慣病です。

 

健康寿命とは?

健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱を始めた概念で、心身ともに健康で介護などを必要とせず、日常生活に制限なく自立して生活できる期間のことです。日本人の平均寿命と健康寿命の差が、男性で約9年、女性で約12年もあることが問題になっています。つまり、一生のうち「不健康な期間」が約10年もあるということです。
健康寿命をのばすためには生活習慣病の発症や重症化を予防して、いつまでも健康を維持する事が大切です。生活習慣病は環境や生まれつきの遺伝的な要素だけでなく、生活習慣が深くかかわっている研究結果がいくつもあります。日頃から健康的な生活習慣を心がけて生活習慣病を予防し、健康寿命をのばしましょう。

 

コロナ禍での生活変化による生活習慣病

ソフトバンクの健康意識調査では、在宅勤務をする中での健康課題について、「体を動かす機会が減った」という回答が31.8%と全体の約3割を占めました。外出自粛により運動量が減少する傾向にあり、生活習慣病リスク上昇につながる可能性が指摘されています。
運動不足の影響もあり、一般社団法人日本生活習慣病予防協会の調査ではコロナ禍における健康診断・人間ドック結果の集計で血糖・脂質・血圧コントロールの悪化の割合が高く、25.9%が体重増加したというデータも出ています。また、元々生活習慣病に関わる病気を合併している人は、コロナの重症化リスクが高いことが報告されているので、益々生活習慣病の予防が大切です。

 

生活習慣病予防のために良い生活習慣を

1・適度な運動をする
普段から元気にからだを動かすことで、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、足腰の痛み、うつ、認知症などになるリスクを下げることができます。まずは、+10(プラス・テン)から始めましょう。+10(プラス・テン)とは、「今よりも10分だけ多くからだを動かそう」という取り組みです。メタボや軽度の生活習慣病の方も、ぜひ+10(プラス・テン)をしてみましょう。+10(プラス・テン)が毎日の習慣になれば、内臓脂肪が燃焼して腹囲や体重が減少したり、高血圧や脂質異常、高血糖が改善します。

2・バランスの取れた食事を規則的にとる
朝食のエネルギーで元気な1日をスタートしましょう。主食、主菜、副菜を組み合わせてバランスよく、腹八分目をまもり、野菜多めのメニューにしましょう。生活習慣病予防の観点から必要な野菜の摂取量は1日350グラムです。日本人は1日100グラム不足していると言われています。
<在宅勤務における食事のポイント>
✓ 朝食は必ず摂り、夕食は21時より前に摂る
✓ 主食(炭水化物)・主菜(タンパク質)副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)をバランスよく摂る
✓ 間食は1日200kcal以内
※筋力低下予防のため、特にタンパク質を意識して摂取しましょう

3・喫煙をしない
たばこの煙には、ニコチンやタールをはじめ、約200種類の有害物質、約70種類の発がん物質が含まれており、生活習慣病を含む多くの病気を引き起こします。受動喫煙による周囲の人への影響も深刻です。

4・飲酒は控えめにする
アルコールの影響は肝臓だけでなく全身に及び、さまざまな健康障害をもたらします。適度な飲酒量は、1日平均純アルコールで20グラム程度です。(ビール中びん1本、日本酒1合、チューハイ350ml、ウイスキーダブル1杯)
飲酒後にフラッシング反応(※)を起こす人はこれより飲酒量を少なくするべきとされています。節度ある飲酒を心がけましょう。(※)少量の飲酒で起きる顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・頭痛などの反応

5・十分な睡眠をとる
個人差はあるものの、1日6〜8時間の睡眠をとりましょう。日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番です。睡眠不足や睡眠障害によってさまざまな生活習慣病が増悪するメカニズムが明らかになってきています。
<在宅勤務における快眠のコツ=生活のリズムを整える>
✓規則正しい生活 ✓入浴 ✓運動 ✓光浴

 

おわりに

生活習慣病の予防には、規則正しい生活を送ることが何より大切です。少し意識を変えるだけで毎日の習慣が変わり、その積み重ねが健康寿命をのばすことに繋がります。一度ご自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。