カウンセラー コラム

「心理的安全性」~あなたのチームは安全ですか?

2021年8月5日

突然ですが、あなたは今所属している組織・チームで、本来の自分をさらけ出し、意見・素朴な疑問を言えていますか?
Google社が2012年に立ち上げたプロジェクトで、効果的なチームの条件を調査分析したところ、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であり、中でも圧倒的に「心理的安全性」が重要という結論をだしました。
激しく変化し続ける時代において組織とチームの未来を作るために不可欠な環境について、理解を深めていきましょう。

 

心理的安全性とは

「心理的安全性」という概念は、1999年にハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が打ち立てた概念です。エドモンドソン教授は、「チームの心理的安全性とは、対人関係におけるリスクだと思われる可能性のある言動をしてもこのチームなら大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」だと定義しました。

少々難しいですね・・・
分かりやすくするため、「対人関係におけるリスク」とはなにか?ということから、みていきましょう。

対人関係のリスクとは、自分の発言やアウトプットについて、チームの他のメンバーから
「こんな風に思われるかもしれない」とか、「こうゆう仕打ちを受けるかもしれない」という、「良かれと思って行動しても、罰を受けるかもしれない」リスクのことです。
たとえば、こんな声が自分の中に聞こえてきたら、あなたにとって、あなたのチームは安全ではないのかもしれません。

このような「対人関係のリスク」を感じることがない、心理的安全なチームとは、
「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム」と言えるでしょう。

 

そもそも今なぜ、心理的安全性なのか?

新型コロナウィルスを始めとして、それまでは誰も予想できなかった変化が社会全体で起こっていることからも感じるとおり、私たちはVUCAともよばれる、複雑で、不確実な、先の見えない、変化の激しい時代を生きています。
このような、いわば「正解のない」世界においては、これまでの組織で多く見られた「トップダウン」のコミュニケーションではなく、「さまざまな視点からの率直な対話」が組織の成功のために必要不可欠になってきたからなのです。

 

心理的安全性が感じられる組織に生まれる効果

「心理的安全性」は、字面や表面だけを捉えると、誤解を生みがちでもありますが、アットホームな職場のことでも、すぐに妥協する「ヌルい」職場のことでもありません。
アットホームで和気あいあいとしているチーム、決して悪くないのですが、和気あいあいとしているからこそ、異論を唱えることが難しかったりすることがあるのではないでしょうか。
心理的安全なチームはむしろ、チームメンバー大勢の意見が一致しているように見えるときでさえ、「それは違うと思います」と違う意見がいえるチームなのです。
また、「安全」は「好き勝手やっても大丈夫」という意味ではありません。
心理的安全性は、チームのためや成果のために必要なことを、発言したり試してみたり、挑戦してみたりしても安全である、ということなのです。

 

チームの心理的安全性を高めるために

それでは、チームの心理的安全性を高めるためには、どのような取り組みが有効でしょうか?
心理的安全なチームはむしろ、チームメンバー大勢の意見が一致しているように見えるときでさえ、「それは違うと思います」と違う意見がいえるチームだとお伝えしました。
これは、他者が自分とは違う意見を言ったとしても、お互いにその考え方を認め、受け入れるからこそできるのものです。その共通認識をもつために、以下のような取り組みから始めてみるのはいかがでしょうか。

また、私たち一人ひとりが、自分自身の中に、安心安全でいること、が大切ではないでしょうか。
自分自身の中に、安心安全でいることとは、例えばあなたの感情や考えを、まずはあなた自身が攻撃や否定をせず、正直な自分でいることを意味しています。

 

【参考文献】
「心理的安全性のつくりかた」/石井遼介 日本能率協会マネジメントセンター
「アドラー流勇気づけテレワーク・在宅勤務トラブルサポート」/上谷実礼 メディカ出版