カウンセラー コラム

今日からできる!心と体のメンテナンス~朝夜15分から始めよう~

2020年11月6日

コロナ禍という言葉が使われ始めて8か月余り、まるで枕詞のように感じるこの頃、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

この半年間で一気にテレワークが進みました。
通勤の身体疲労は軽減されたものの、運動不足からくる睡眠の悩み、在宅勤務でかえって働きすぎてしまう問題、コロナ影響による業務負荷や緊張感、人間関係の新たな不安や孤独感、などなど、いつのまにか様々な悩みやストレスが溜まっているかもしれません。

「禍を転じて福と為す」ということわざがあります。こんな時だからこそ、自分を大切にして、心と身体を整えるための工夫をお伝えしたいと思います。

解決法の基本は”行動”

悩み苦しむ時、必ず「不安」がつきまといます。その時、脳内物質の「ノルアドレナリン」が分泌されています。すると、脳が研ぎ澄まされ、集中力も高まり、「アドレナリン」も分泌されて居ても立っても居られない状態になるそうです。つまり、不安の源「ノルアドレナリン」は、ピンチのときに「行動しろ!脱出なさい!」という、「行動のガソリン」です。何も行動しないと、不安感は無くならず増えていくのはこのためです。よって、不安を消すためには「行動すること」。そうすれば、ガソリンである不安は確実に減っていき、楽になっていくと言われています。

そこで今回は、セルフケアにも繋がる行動の選択肢を、日常生活に簡単に組み込めるよう、朝と夜にそれぞれ「15分でできること」を紹介したいと思います。

◆朝の15分~「朝散歩」はメンタルの最強健康法~

在宅勤務の日は一歩も外に出ないという話をよく聞きます。従来の通勤時間を、睡眠や家事などに回すことも工夫のひとつですが、加えて、15分間を散歩に充ててみましょう。

その効果で一番大きいものは、セロトニンの活性化です。
セロトニンは、覚醒、気分、意欲と関連した脳内物質で、低いとうつ的になります。ゆえに、活性化すると清々しい気分、意欲アップ、集中力の高い仕事ができるそうです。
朝、「今日も1日頑張ろう!」とポジティブな気分に包まれているなら、セロトニンが分泌されていて、逆に著しく低下すると「不安」「心配」「嫌なことを思い出す」というネガティブな気分に支配されてしまうのです。
セロトニンは、「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼(そしゃく)」によって活性化するといわれており、前者2つを兼ねているのが「朝散歩」です。
また、セロトニンは午前中に作られ、それを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作られますので、夜の睡眠も深まるという好循環にもなります。睡眠は、ストレスを軽減・解消してくれるものでもあるので、寝つきを良くできたら大きなメリットですね。

その他、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされたり、15分~30分で1日に必要なビタミンDの生成が行われるという効果もあります。

朝起きてから1時間以内に15分~30分程度の散歩がベストですが、1時間以内が難しい場合でも、始業前に無理せずにできるタイミングで、週1~2回でもやっただけ効果があるということです。

◆夜寝る前の15分~ 「書く」だけで自己肯定感が高まる

「私は今の私のままでよい」「私は人の役にたっている」「私は自分の人生を自分でなんとかしていける」などの思いがあるのは自己肯定感が高まっている状態です。
自己肯定感が高ければ、気持ちが安定し、自己嫌悪や劣等感も減り、前向きな行動力が湧いてくる、つまり「生きるエネルギー」そのもの。
それが、人によって強い人・弱い人があり、時と場合によって、高くもなり、低くもなるといわれています。今、ご自身の状態はどうでしょうか。

もしも、「自分には無理」「どうせ私なんか」「抜け出す道が見えない」などと考えてしまいがちであれば、自己肯定感が低い状態かもしれません。
しかし、自己肯定感は誰でも強くすることができる、何歳からでも高まる、というのです。

末尾の参考文献「書くだけで人生が変わる 自己肯定感ノート」によると、自己肯定感は次の6つの「感」からつくられていて、一本の木のように互いに支えあっているといいます。
ですから、どれか1つでも大きく揺さぶられると低下してしまいます。しかし、どれか1つが高まれば全体(根、幹、枝、葉、花、実)に連鎖してプラスの影響力を発揮するのです。

 

自己肯定感を形成する6つの感(木の例え)とは

 

自己肯定感を形成する6つの感(木の例え) キーワード
⑴自尊感情  (根) 自分に価値があると思える感覚 BE
⑵自己受容感  (幹) ありのままの自分を認める感覚 OK
⑶自己効力感 枝) 自分にはできると思える感覚 CAN
⑷自己信頼感 (葉) 自分を信じられる感覚 DO
⑸自己決定感  (花) 自分で決定できるという感覚 GO
⑹自己有用感 (実) 何かの役に立っているという感覚 YOU

今回は、このうちの1つ、自己受容感が高まるワークで習慣にできそうな実践法を2つ選んでみました。自己受容感はポジティブな面もネガティブな面も、ありのままに認めることができる状態なので、地に足をつけて立ち直れる力、レジリエンス(復元力)も高まります。
毎日行うことで、自己肯定感全体も自然に高まっていくでしょう。

1つ目「嫌なことをひたすら紙に書き出す」

(これは、モヤモヤや嫌なことがある時だけ行います。無い時はスキップして、2つ目へ進んで下さい)

手順は簡単です。

①負の感情やストレスな出来事を制限することなく、思う存分、吐き出すように書くだけ。誰も読まないので、正直に、出来事とその時の感情を思い出しながら書くと効果的です。
~「私たちは何かを考えないように努力するほど、かえって頭から離れなくなる」(ダニエル・ウェグナー)⇒嫌なことを書けば、嫌なことが消えていく~
②書いたら、全体を眺めてみます。自分の分身になったつもりで眺めてみると、より客観視につながるかもしれません。
③確認したら、書いた紙をビリビリに破くかクシャクシャと丸めて、「サヨナラ!」や「ま、いっか。わたしはわたしでOK!」と唱えて捨ててしまいます。

場合により異なるでしょうが、10分以内を目処にしても、かなり書き出せると思います。効果は、●不安感の改善、●ストレスに使っていた認知リソースが解放されて脳のワーキングメモリが増える、●感情のコントロールが可能になる、●自分を客観視できるようになる、が挙げらます。そして、自己受容感が高まるということです。

2つ目「今日のよかったこと三行日記」

これは寝る前に、3分以内で書きます。まさに、こちらが毎日の習慣としてお勧め!ですのでまずは、3週間続けてみてください。(習慣化の法則で21日間続ける行動は定着するともいわれています*インキュベートの法則)
3つのいいこと探しで、自己受容感の回復に役立ちます。

方法は簡単です。
ノートを用意し、1日を振り返り、今日よかったことを3つ書き出します。

(ポイント)
*なるべく3分以内で、考えすぎないで書く(些細なことでよいので、わくわくして探す)
*いつもとちょっと違うことに目を向ける(いつもは地下道、今日は地上で青空を見た等)
*書いたら眺めて、自分をほめる(私、よくやってる!等)

(注意)1日に2つのワークを行う場合は、2つ目のワークのほうを必ず後に行います。寝る前は脳のゴールデンタイム。グッドな内容をイメージしながら布団に入ることが大切です。習慣化すると次第にポジティブ思考も鍛えられていきます。

(記載例)
・朝散歩をしたら、道端の草の色がきれいで、なんだか感動した
・昼休みにコーヒーを飲んで20分間仮眠をしたら、午後も集中力が続いた
・夕飯のカレーにトマトとチキンを加えたら、とても美味しくできた

いかがでしたでしょうか。朝と夜の15分でも、自身のメンテナンスにつながります。
体と心を整えれば、希望はいつでもここにあることを、見出せるのではないでしょうか。

心の中の思いが 私たちを創っている
私たちは 自分の思いによって創り上げられている

人間は、自分が思いによって創られた存在であることを理解すればするほど、より穏やかになります
*ジェームズ・アレン

今般、テレワークが進む一方で、業務上出勤されている方々もいらっしゃいます。皆さんは知らず知らずのうちに、緊張感やストレスが高まっている最中、毎日少しでも、自分を大切にする時間を持つことが自身を支える力になります。
自分を大切にしてこそ、それが他者にも伝播し、他者貢献へとつながっていくでしょう。

【参考文献】
「ストレスフリー超大全」/樺沢紫苑 著 ダイヤモンド社
「書くだけで人生が変わる 自己肯定感ノート」中島輝 著 SB Creative
「原因と結果の法則 AS A MAN THINKETH」ジェームズ・アレン 坂本貢一訳 サンマーク出版